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野王

2013SBS、演出チョ・ヨングァン、チョ・ナムグク、脚本イ・ヒョミン、出演クォン・サンウ、スエ。

おはなし:愛する女に裏切られ、命まで狙われた男が復讐します

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ナップンすぎるヨジャ

クォン・サンウ演じるハ・リュは孤児で、同じ施設出身のチュ・ダヘ(スエ)と再会するところからドラマが始まります。

大学受験を控えていたダヘは、母親が病死しちゃって茫然自失。彼女は、どうやら継父から性的虐待を受けていたらしく、自暴自棄になって、こうなったら水商売でもするしかない!とヤケクソになったところをハ・リュに止められます。

なんだか、水商売をするとコリアンカースト的に貧乏人より格下扱いになるらしく、ダヘに惚れているハ・リュには許せないことのよう。大学生やOLがライトなお小遣い稼ぎにキャバ嬢しちゃう日本とは、大分感覚が違いますね。韓国的に本当にそうなのか、ドラマだから大げさにしてるのかは分かんないけど。

で、ハ・リュは装蹄師になるために貯めた金を、ダヘの大学進学資金に渡しちゃうんだけど、これがハ・リュとダヘの運命を変えるきっかけに。二言目には「ダヘは頭が良いんだから」とハ・リュは言うけど、それなら、ダヘはバイトして進学資金を貯めるべきだった。そして、「金のことは良いから、ダヘは勉強に集中しろ」っていって、自分の庇護下に入れてしまったのが、ハ・リュの最大の間違い。お陰でダヘは集り体質になってしまい、ハ・リュはこのあとずっと自分の頸を締める羽目になっちゃうのです。

一見すると、けなげな男ハ・リュが悪女過ぎるダヘに集られまくったあげく、金持ちのボンボンに乗り換えられ、子供や兄まで殺され、復讐する話なんだけど、なんつうか、相対的にアホすぎるハ・リュの自業自得物語になってしまっているような。

何がおかしいって、愛する女のためなら!って言って、喜んで貢ぎまくってるハ・リュね。ダヘに水商売を止めておきながら、彼女を支えるために自分がホストになるってバカでしょ。ダヘがそんなに優秀なら、奨学金だってもらえるだろうし、足りない分は自分でバイトしろよって話。おまけに金がないない言いながら、子供まで作っちゃう計画性の無さ。そんなハ・リュにつきあえるダヘも、余り頭が良いとは思えません。

ボンボンのアメリカ留学について行ってしまったダヘの仕送りを作るために、泣きながら枕営業するハ・リュには、ただ呆れるばかりです。バカが見栄張るんじゃない!

原作ではもっとバッサリ復讐するらしいですが、クォン・サンウ的(?)優しい男演出が随所に入るので、なんか中途半端な逆恨み男の話になっちゃった感じです。

チュ・ダヘがどうしようもなく野心的、なのはそういう設定なので良いとして、恐ろしく頭が切れて打算的、と言う割にいろんな計画が杜撰すぎる。だいたい、ハ・リュ以外は殺す気無かったのに、継父、娘、ハ・リュの兄ちゃん、ボンボンって死に過ぎ。いっそ全部計画的なら、the悪女ってことで認定できるんだけど、ダヘはどっちと言うと、嘘がばれないようにその場しのぎで立ち回ったら、悪い方に転んじゃってあの人やこの人が死んじゃったっていう、大分間抜けな感じ。そもそも嘘つくお前が悪いだろって話だけど、どうも小物感が拭えないんだよね。

大統領夫人になったのはビックリだけど、嘘の自叙伝とか出しちゃう辺りも下品。振り切ってる悪女はむしろ気持ちよかったりするけど、ダヘは小ずるくて実のない女って感じで全く好きになれない。

サンウもスエも、ユンホですら好きなわけではないので、わたし、このドラマ、最初は全然見る気無かったんですよ。ただ、私の愛するキム・ナムギル様の曲(「君は知らない」名曲!!)が挿入歌になってまして、その1曲目当てでOSTを買ったわけです。

で、ドラマの一応評判をチェックしてみたら、「悪女スエを、いかに罰せられるのか、韓国中がやきもきしている」とかいうのがあって、悪女への復讐劇はちょっと面白そうかもと興味が沸いちゃったというわけ。

漫画が原作らしく、荒唐無稽かつスピーディーな展開で、結構さくっと見れちゃうんだけど、前述の通り、これでいいのか?おいっていうのが正直な感想。

おバカちゃんハ・リュと野心家ダヘのしょーもない夫婦は、勝手にやってろってなもんですが、可哀想なのが巻き込まれたペクハクグループの面々。ドフンはダヘに引っかかったばっかりに命を落とす羽目になるわ、ドフンの姉さんドギョンは復讐のためにハ・リュに利用されたあげく、グループの裏帳簿をダヘに持ち出されて財閥存続の危機で踏んだり蹴ったり。

最終的にダヘの悪事が明るみに出るんだけど、最後の最後でハ・リュが車にひかれそうになるダヘを庇って負傷…したはずなのに、なんでかダヘは死んでハ・リュは生還。

貧しくも幸せだったダヘと娘との日々を思い出して涙するハ・リュで終劇。なんでやねん。

すんごいぬるっとした結末でした。

ところでこのドラマ、ちょっと自分の審美眼に自信が持てなくなる。

私は「天国の階段」の昔から、サンウをかっこいいと思ったことがないのですが、あの方は「ハンサム」と言う定義にあてはまるのですか?自慢のムキムキBODYも、too muchで気持ち悪いんだよね。

そしてダヘ役のスエさん、わたしにはビックリ顔の垢抜けない紺野美沙子にしか見えないんですが、「天使のような美人」の定義にあてはまるのですか?

この微妙な30代丸出しの二人が20代前半から演じるドラマの導入部分、韓ドラあるあるではあるけど、無理がありすぎてキッつい。

「ぴちぴちの22歳です!」とか、可哀想だから、サンウに言わせないであげて~

他のキャストも、ユンホとジェウン兄ちゃんの婚約者以外の面々の年齢層が高くって、加齢臭漂う感じ。

しかし、貧乏人の成り上がりドラマで「病院行けない」とか「明日食べるものもない」的な場面よく見るけど、韓国には医療保険とか生活保護はないのだろうかと毎回思う。病院行けなくて死んじゃう先進国ってなんなの。

そして文句を言わせてもらうなら、それ目当てで見たと言っても過言ではない、ナムギルくんの挿入歌、なんでかドラマの序盤しか流れませんでした。ラブい話じゃないからですかね。残念。


by namugiruluv | 2017-04-07 15:35 | 韓国ドラマ | Comments(0)