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客主 商売の神

2015KBS、演出キム・ジョンソン、キム・ドンフィ、脚本チョン・ソンヒ、イ・ハンホ、出演チャン・ヒョク、ユ・オソン、キム・ミンジュン。

おはなし:天涯孤独のボンサムが、様々な苦難を乗り越えて立派な行商人になります

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行商王(?)に俺はなる!!

行商王て。我ながらセンスのない。ついでに商売人の王である大行首になりたかったのはボンサムじゃなくてソゲだけど。ちょっとルフィっぽくしてみたかったのw

このドラマ、3年前韓国旅行に行ったときにちょうど放映してました。大分途中だったので話はよくわからなかったけど、ネットで調べたら「スケソウダラの行商で一代を成した人物の物語」とあって、随分地味なところ突いたなあと思ったものでした。

その時はスケソウダラっていうとタラコとか明太子の話か?と思ったんだけど、干し鱈のことでした。しかも、鱈だけじゃなくて他の品物も扱ってたっていう。

千家客主の主人チョン・オスはボンサムのお父さん。真面目かつ誠実な商売で家業を支えてるんだけど、不正蓄財をしたい役人達にしてみればちょっと煙たい存在。そこに目をつけたキム・ハクチュンは、千家客主のキル番頭にアヘンの密売を唆す。チョン客主に黙ってハクチュンから借金をしていたキル番頭は悩んだ末に密売を承諾するが、結局それはオス父ちゃんの知るところに。

「行商人の掟」に沿って、涙を呑んでキル番頭に毒薬を飲ませるオス父ちゃん。しかし、キル番頭の息子、キル・ソゲは父への仕打ちを恨み、オスの荷物にアヘンを忍び込ませ、オスもアヘン密輸の罪で死刑になってしまうのです。

主人が死刑になったことで千家客主は解体、ボンサムはソレ姉ちゃんともはぐれてしまって、行く当てのなくなった彼は、商売人養成所「童蒙庁」へと向かうのでした。

っていうのがボンサム子供時代のエピソード。これが3話分くらいあるんだけど、行商人だから絵面は地味だし、話は殺伐としてるし、子役は可愛くないしで、まあつまらない。さすがにこれはちょっと視聴できるかしらと不安になった頃に大人になったボンサム登場!で途端に楽しくなる。

だって、チャン・ヒョク初登場が上半身裸の水遊びシーンですから!よっ!さすが筋肉俳優!クオン・サンウみたいな「見せる用」筋肉は苦手だけど、ヒョクのは「実戦用」だから、締まってていいのよね110.png

大人になったボンサムは、馬房から始まり、米の運搬やら行商道を妨害する山賊退治やらで活躍するうちに仲間を増やし、ついには鱈の干し場を作って商売をするに至り、ようやく父の起てた「千家客主」復活することに成功します。

大筋だとこんな感じでめでたしな結末なんだけど、ボンサムの私生活は波乱ありまくり&別れの連続です。

まずは生き別れになったソレ姉ちゃん。

オス父ちゃんの恨みを晴らすべく、宿敵キム・ハクチュンの側室になるわけなんだけど、ハクチュンを殺すために松波馬房のチョ客主を利用したもんだから、そうとは知らないボンサムの怒りを買ってあわや殺されかけます(ひどい)。

キムの側室がソレ姉ちゃんだと判明し、涙の再会を果たしたと思ったら、ソレに弱みを握られて怒り心頭のキム・ボヒョン(ハクチュンの義弟)に殺されてしまうのです。いとあはれ。

次いではボンサムのファム・ファタルたるソリン。

溺れかけたソリンを助けたことをきっかけに恋に落ちた二人だったけど、ソリンの美貌は大行首シン・ソクチュの目に止まり、ほとんど無理矢理嫁に行かされます。しかし、嫁に行く前にボンサムと一夜を共にしたソリンは、既に子供を宿していたのです!

いやあ、「運命のように君を愛してる」でもそうだったけど、チャン・ヒョクは一発必中ですなあ、とかエロオヤジの様なことを言ってみたり128.png

高齢なだけに子供だけでも欲しがるシン大行首からソリンを奪取したボンサムは、晴れてソリンと結婚するのです。この辺、なんかすっきりしないのが、このエピソードの前に、番頭と出奔したチョ客主の嫁が「行商人の掟」だからって踵斬られてたんだよね(げろげろ)。不倫はダメなんじゃないのか、いやしかし結婚する前だからいいのか?まあ、ソリンは行商人じゃないから関係ないのか??

いろんな疑問渦巻く私なんかそっちのけで、仲間達に祝福されて式を挙げるボンサムとソリン。しかし、ボンサムに横恋慕するケトンの策略で、ソリンは子供を残してお空の星になってしまうのです。

更にはボンサムの親友ソンドルとチェ・ドリ兄貴。
ドリ兄貴は童蒙庁から、ソルドルとは行商の途中で仲良くなり、いつも苦難を乗り越えてきた仲良しの3人。

頭の切れるソンドルは千家客主の番頭となってボンサムを助け、抜けてるけど憎めないキャラのドリ兄貴はボンサムの心の支え。
最終回近くまで仲良くやってたのに、最終10話くらいでソンドルはボンサムの敵側に回るわ、ドリ兄貴はボンサムの身代りに死んじゃうわ、救いのない展開でボンサム共々げっそりですよ。

試練の度に自分の甲斐性で乗り切るボンサムをいちいち妨害するのが、キル・ソゲ。

ソゲは子供の頃はソレ姉ちゃんと婚約状態だったのに、父親が殺されたことを恨んで彼女を捨ててしまうの。清廉な商売人を目指すボンサムとは違い、とにかく権力を欲しがったソゲは、シン・ソクチュやキム・ボヒョン、ミン・ギョムホと、その時優位な者の側について大行首を目指します。

なので、ソゲを兄貴を慕ってたボンサムを裏切りまくり。ソレには未練があったけど、ソゲがオス父ちゃんを陥れたと知られた後は、口封じとばかりに彼女を殺してしまいます。ソリン殺害の手配をしたのもソゲだし、まじサイテーなのです。

でも、この人の悲しいのが、そうやって人を陥れてばっかで、周りからどんどん人がいなくなってくところ。結局この人、純粋に商売の腕でボンサムに勝ったことはなくて、姑息な手ばかり使うの。それは本人もわかってるようだけど、「これが俺のやり方だ!」って開き直っちゃってるのがまたね。
ソゲ役はユ・オソンssiが演じたんだけど、同じような敵役だった「朝鮮ガンマン」のチェ・ウォンシンとは違った役作り。チェ・ウォンシンのときは娘のいる役だったし、抑えめかつ無表情なthe悪役だったけど、今回はその時よりは若い年齢設定っぽくて、感情出しまくりのわかりやすい作り。素直に表情がクルクル変わるソゲは、案外かわいいし、最終的には好きな女の言うこと聞いてやるとか、実は純情だったりするので憎めないのね。
ところで、「客主」は「ケッチュ」と読むのですが、ソゲが客主になったら「キルケッチュ」だから、わたしの好きなゲーム「サルゲッチュ」っぽくてかわいいかも102.pngと思ってたけど、ソゲってば番頭からいきなり大行首になっちゃって、客主にはならなかったとさ。ちゃんちゃん。

ちょっと惜しかったのがケトンちゃん。

唯一最後までいる役だし、展開によってはボンサムに次ぐヒロインにもなれたと思うのに、散々便利に使われて、結局フェードアウトしちゃう損な役。

ケトンは、もとはへジュっていう両班のお嬢様。でも、神がかりだかなんだかで巫女っぽい気質があったらしく父親に殺されかけるの。(この辺、唐突な回想シーンがあるのみなので詳細わからず)母親の助けで逃げ延びるんだけど、運命の人と結ばれたら巫女気質が治る?と言われて、ケトンと名を替え、行商しながら運命の人を探して朝鮮中をまわるのです。

この途中でソゲに出会うケトンなんだけど、ソゲは彼女にとっては兄貴的存在。この後で出会ったボンサムこそ彼女の運命の人だったのです!

しかししかし、ケトンより前にソリンと恋に落ちていたボンサムは、彼女の願いを聞いてやれないのね。こうなったら巫女になってでもボンサムを手にいれてやるぁ!ってことでヤケクソで国師堂(日本で言うと国分寺みたいな感じ?)の巫女になっちゃうケトンなのです。

そうは言っても、ケトンも好きな人には嫌われたくない乙女心ゆえに、ボンサムが窮地に陥る度に助けてあげちゃって、終いにはソリンの出産の手伝いまでしちゃうの。さすがにこのときはボンサムの無神経さにイラっときたけどね。

お前のこと好きだって言う女に、嫁の出産手伝わせるなんてサイテー。なんて人が良いんだケトン!

まあ、最終的にはソゲに頼んでソリンを殺してしまうケトンなんだけど、ボンサムへの想いは一貫して一途なもんだから、シンのとこに嫁に行ったり、人妻なのにボンサムによろめいてみたりするソリンよりは、ケトンのほうが印象がいいのよね。

で、さんざん引っ張った挙げ句、ボンサムにソリン殺害の事実がばれちゃって、傷心ケトンは隠遁生活。それでも数年後、ボンサムに必要とあれば自分の財産をあげちゃうケトンのけなげなことよ。

悪役にしないんなら、もうちょっとケトンに優しい展開が欲しかったなあ。

このドラマは、頑張るボンサム、邪魔するソゲ、更に頑張るボンサムってのが定型で繰り返されていくんだけど、30話くらいでソゲが死んだ後、敵役に困ったのか、突然ソンドルにそのお鉢がまわってくるという謎展開へ。

実はソンドルはおちぶれ両班の若様でしたっつって、お家再興をエサにボンサムと対抗する立場になっちゃうんだけど、ボンサムが嫌いになったわけじゃないソンドルだから、ボンサムへの攻撃がソゲに比べると弱いんだよね。お家再興したがったくせに、大行首になっちゃったのもよくわかんないし。実はソンドルもボンサムに対して思うところがあったていう伏線があるならともかく、それまでボンサム万歳だったのが、豹変するもんだから不自然だったらありゃしない。

二人は親友で、お互いのためなら命を賭ける仲だったのに、いざボンサムが騒乱の罪で死刑確実になったら、銃弾を受けて治る見込みのないドリ兄貴に「ボンサムの代わりになってくれ」って頼むという非道さ。そもそも、ボンサムが騒乱の罪を被ったのだって、ソンドルが日本人連れてきて揉めたせいじゃないか!

ここは、「俺のせいでボンサムを死刑には出来ない。騒乱罪の切っ掛けは自分だから自分が咎を受けます」って言うとこでしょ!!何考えてんだ脚本家!都合良くドリ兄貴が銃弾受けることも気に入らないわ!!
ついでにいうなら、ドリ兄貴が死んで15年後のどラストで、訳もなくソンドルがマクボンたちに殺されるいらないエピソードは何??全くの蛇足としか言えない微妙すぎるラストに、ボンサム先生の有り難い講義も耳に入らないっつうの。

ドラマの脇を固めるのは、イ・ドクファやキム・ギチョルなどおなじみの面々。この辺は危なげなくいつもの演技をこなします。
私的にちょっと楽しかったのは、ミン・ギョムホ役のイム・ホssiとミン・ヨンイク役のアン・ジェモssi。「チョン・ドジョン」の円穏とバンウォンが親戚役で、しかもまた仲悪い役169.pngと密かに楽しんでしまった110.png

41話と史劇にして半端な長さのこのドラマ、チャン・ヒョクはいいけど、地味な上にいろいろ殺伐としすぎて、疲れました。


by namugiruluv | 2018-05-17 12:29 | 韓国ドラマ | Comments(0)