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麗 -花萌ゆる8人の皇子たち

2016SBS、演出キム・ギュテ、脚本チョ・ユニョン、出演イ・ジュンギ、IU、カン・ハヌル。

おはなし:現代からタイムスリップしたIUが高麗の皇子様たちと出会います

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*結末に触れてます

主演がIUで、「花萌ゆる8人の皇子たち」のサブタイトルと来たら、おきゃんなIUちゃんが、タイムスリップした高麗でどきどきイケメンパラダイス!なドラマだと思ってすごい楽しみに見たのに、なんかぬるっと、どろっと、じめっとしたドラマ展開で、最後まで違和感が拭えなかった。

もちろん最初のうちは楽しかったのよ、6人(8人の皇子のうち、ウンとヨは距離を置いていたから削除)のお兄さんに囲まれて、現代っ子ヘ・スがいろいろやらかしつつ、仲良くなってく辺りは。でもミョン姉さんが死んで、ウクと両想いになってくとこからなんか妙な感じに。最終的にイ・ジュンギのワン・ソと結ばれることはわかりきってるのに、ウクとの下りが長い長い。横でちょっかい出すソがストーカーみたいじゃないか!

いざ、ソと上手く行きはじめても、同時進行で皇位奪取作戦に入っていくから、血なまぐさいわ、ヘ・スがいちいち口出ししてうっとうしいわで、ソとのラブライン、盛り上がらず。

最終的にソのもとを去るヘ・スなんだけど、その理由もとってつけたようだし、ソと別れる前から病気で余命わずかってわかってたんだから、最期までそばにいればよかったのに、自分から去っておいて、「会いに来てくれない」とか知らないよって感じで全く共感できなかった。ただただソが可哀想。

結末だって、ああ来たら、現代で再会がデフォルトだろうに、高麗時代のソのどアップで「わたしがお前のいるところへ行く」で終了ってなんだそれ。

感動も号泣もなく終わってしまった。なにがしたかったんだ。続編があるという噂だけど、それなら、最終回のダラダラしてたとこカットして、最後に再会を匂わせるワンカット入れてくれるだけで良かったんだけどな。

大分いまいちなこのドラマ、何がダメって脚本がダメでしょう。

そもそも、登場人物のメンタル設定が全員お子様過ぎる。太宗が生きていた頃なら、まだ幼くても良かったけど、太宗が死んで跡目争いになっても、ヘ・スを含めてみんなお花畑過ぎる。その分、他よりは大人のヨやウク、ソが割を食う羽目になってイライラ。

肝心のソだって、設定が甘い。だいたい、なんであそこまでお母ちゃんに嫌われるのかがわからん。顔が醜いって、お前がつけた傷だろうが!罪悪感を持つならともかく、お前なんか息子じゃない扱いはドイヒー。ちゃんと理由をつけてくれないから、ただのヒスおばさんにしか見えない。

史実は動かせないけど、あんなに「皇帝なんかにならない」っていってたソが、急に皇帝目指しちゃったとこも理由が弱い。で、皇帝になったがためにまわりから親しい人がいなくなって孤立する様も、はなっからそんなに人が居なかったから、ヘ・スとペガがいなくなって可哀想ね、とは思うけど、たとえば、「六龍」のバンウォンのような、かつては志をともにする仲間に囲まれていたのに、王座を欲したがために大事な仲間を失うっていう、圧倒的な孤独が感じられないんだなあ。

お暢気ラブコメ史劇なら、こんなこといわないけど、中途半端に権力闘争の残酷なんかを挟むから訳わかんなくなったんじゃまいか。

しかし、返す返すもヘ・スは残念。

私がIUちゃんを好きなのは、「キレイな男」の逞しくもけなげなボトンが良かったからなのに、ヘ・スときたら、ウクとソの間で揺れちゃうし、ソが皇帝になったらなったで「愛してるけど、あなたが怖い」とか言っちゃうし。そこは「わたしはあなたを信じます。だって愛してるんだもん!」と言って欲しかった。

ドラマ後半、役に合わせて痩せたって事だけど、衣装が体にフィット系だから、細すぎて見てて痛々しかったのも減点ポイントかも。

頑張ったのはワン・ソのイ・ジュンギ。

なんだか変な役所を、さすがの演技力と目力でやりきった感じ?母親の愛に飢え、ヘ・スに安らぎを感じ、自分の大事なものを守るために皇帝になった男を熱演です。

そういえば、ワン・ソってば、幼いときに母親に傷つけられて顔に傷を負ってるんだけど、現代では美容部員なヘ・スにリハビリメイクしてもらって、傷が消えるのね。で、そのあとずーっと傷は消えてるわけだけど、毎回ヘ・スが化粧してるわけじゃなく、かといってあの性格じゃ、女官にメイクは頼まないと思うわけ。てことは、やっぱり自分で毎朝メイクしてたんですかね~。あのコワモテが毎朝メイクしてるかと思うとかわいくてしょうがないですな。

2番手の男、ワン・ウクを演じたのはカン・ハヌル。

「未生」の時よりおっさんになっててちょっとビックリ。チャン・ベッキは好きだったけど、やっぱウクはキモいのよね…。嫁がいるのにヘ・スに色ぼけてんじゃねえとか、嫁が死んだ途端にヘ・スと結婚したいとか、何言ってんだこいつってな役でした。

後半ブラック化したとこは良かったけど、悪役になりきれない感じが弱かったなあ。チャン・ヒョクの「輝くか狂うか」だと、ワン・ソがウクより年上設定だったけど、このドラマだと序列がない感じでしたね。

メインどころのヨ、ウク、ソ、以外の皇子たちは、身長の大小はあれど、ヘアメイクのせいなんだか、ほぼ見分けの付かない状態。この中では、後百済の王女ウヒとのロマンスがあったペガが良い子で好きでしたね。ただ、ジョンと顔が似過ぎてて、髪型が変わらないと全く見分けが出来なかった。演じてるナム・ジュヒョクとジスって、プロフィール写真だと全然似てないんだけどね。やっぱヘアメイクのせいかしら。

出番は少なかったけど、私が好きだったのは、ウクの病弱な奥さんミョン。

この人はウクを愛してるんだけど、病弱で子供が出来ないことを悔やんでるの。で、親戚のヘ・スを引き取ったのはこの人なんだけど、ウクがヘ・スに惹かれていくのを察してしまうのね。自分の命が長くないことを知ったミョンさんは、ヘ・スとの再婚を勧めてこの世を去るの。

美しくて、儚げで、でも芯の強いミョンさん。すごく素敵だったし、印象に残りました。演じたのはパク・シウンさん。大きなお目々と表情がハン・ガインに似てるなあと思いました。

ミョンさん、死ぬ間際に、ウクとの出会いのシーンがちょっとだけ流れるんだけど、そのエピソードがすごく良さげで、なんでこのエピをドラマ本編でやらないかなあ(怒とまたいらっとしたりして。

調べたらこのドラマ、オリジナルは中国のドラマとか。あっちのはもう少し歴史に重きを置いてるらしいとのこと。

ならなんでまた、わざわざ血なまぐさい光宗をメインに据えたのか、制作者側の気持ちがわからん。8人の皇子がいることが肝だったのかしら?もうちょっと平和な時代選んで、暢気なイケパラにしたら良かったのになあと思うわたしでした。


by namugiruluv | 2017-12-28 22:46 | 韓国ドラマ | Comments(0)